施設周辺の地盤沈下が問題となっていた日高川町初湯川、 美山ふるさと産品展示販売所は、 今月末に閉鎖することが決まった。
 施設は地盤沈下によって数年前から隣接するトイレの使用を中止しているほか、 本体も基礎部分から一部柱が浮いている状況。 これまで営業に支障はなかったものの、 町では営業の継続は万一の時に従業員や客、 生産者ら利用者の安全にかかわるとして閉鎖の方針を決め、 生産者をはじめとする地元や施設を管理運営する㈱共立メンテナンスと協議を進めていた。
 閉鎖後、 施設の商品は、 近隣の愛徳荘や船津の道の駅SanPin中津で取り扱う。 改修や移転など今後の方針については未定。
 産品所は昭和62年の建築で、 鉄筋コンクリートの1階部分 (28平方㍍) は倉庫、 木造造りの2階部分 (102平方㍍) が店舗。 オープン当初は旧美山村の直営だったが、 町村合併に伴い管理運営は町の財団法人ふるさと振興公社に委託。 おととし7月から㈱共立メンテナンスに移行している。 オープン以来、 地域の人らが手掛けた美山地区特産のごんちゃん漬けや干しシイタケをはじめ、 ジャムや梅干し、 アイスクリームなど加工品を中心に販売。 地元住民や観光客らに人気があり、 平成7年度には4万人以上が訪れ、 売り上げも6400万円に達した。
 そんな地域振興を担う施設も駐車場が狭いことから買い物客は不便を強いられ、 有田川町や田辺市龍神村など近隣に類似施設ができたことなどからこの年を境に売り上げは下降線。 近年は2000万円程度まで落ち込んでいた。