美浜町の出初め式には来賓として、県議会議員や警察、消防関係者らが出席。町議会議員も団員としての参加も含め、10人全員が顔をそろえたが、1人のベテラン議員が国旗掲揚の際にたばこをふかし、他の出席者のひんしゅくを買った。
 たばこを吸ったのは、現在4期目の無所属谷口昇議員(80)。君が代が流れ、共産党議員も含め出席者全員が掲揚ポールの日の丸を見つめるなか、来賓席から離れて芝生に座り込み、たばこに火をつけて吸い始めた。
 谷口議員は日大法学部を卒業し、元中学教諭として、出初め式会場の松洋中でも長年勤務。いまの時代、学校の敷地内禁煙は常識となっているが、記者に対して「わし、毎年吸うてんねで。きょうは(この会場の学校を)町が借りてるさか、学校やない。ほやさか(たばこを吸うのは)ええんや」と涼しい顔。
 夏場はクールビズと称してステテコにランニングで役場をウロウロ、団員や他の来賓も「あのセンセーはなぁ...」と苦笑いの型破りが売りとはいえ、元教師が学校で、しかも来賓として招かれた式典の最中にたばこを吸うとはあまりに非常識な話。「議員として、支援してくれる人や消防団の人たちに失礼とは思わないか」と問うと、「それはたしかにそうやな。すんまへん。おおきに」と詫びたものの、「年いったら近なってしょうない。いまから放水してくら」と笑いながらトイレへと消えていった。