「とにかく高台に逃げろ」「全員無事か」「時間内に移動できたか」ことし1年、 連日といっていいほど頻繁にこんな見出しの記事が本紙に掲載された。 東日本大震災を受けての津波避難訓練や勉強会関連の記事だ。 地域や保育所、 学校、 職域単位でも行われ、 地震に備えた。
あの震災で津波被害に遭った岩手・宮城・福島3県住民対象の内閣府アンケート結果が発表された。 回答者1万1400人、 地震発生直後に 「津波は来ないと思った」 「津波のことはほとんど考えなかった」 と答えた人は約43%。当日中に避難しなかった人も約20%おり、 理由は 「過去の地震でも大きな津波が来なかった」 「大津波警報が発表されたのを知らなかった」がそれぞれ約2割だった。
確かに、筆者も含め大方の人は地震に対してこうした危機意識の希薄さがあることは否めないのではないか。これまでの訓練などをみても参加者がほとんど同じ顔ぶれとまでは言わないが、 偏っているように思えて仕方がない。 本紙記者の中にも、 避難訓練の取材はしたが地元の訓練には参加していない人がいる。 「大地震なんて本当に起きるの。 起こってもまさかここまで津波は来ないだろう」 という安易な考えが頭のどこかにインプットされているからだろう。
東日本大震災から1年9カ月。 東北の人たちは被災から2度目の新年を迎えようとしているが、 完全復興にはまだまだ道は遠く厳しい生活が続く。 しかし命さえあればその道を歩くことができるということも忘れてはいけない。 訓練でよくいわれる 「まず自分の身は自分で守る」 がいざという時本当にできるか、 もう一度自分の胸に問いかけたい。 (高)

