介護給付金約740万円を不正受給していたとして県長寿社会課は16日、 みなべ町埴田、 社会福祉法人清英会 (中谷清一理事長) が運営する介護老人福祉施設 「虹」 と短期入所生活介護 「虹」 に対し 「来年1月から3カ月間、 介護報酬請求を制限する行政処分を行う」 と発表した。 各入所者の運動機能維持を目的とする個別機能訓練加算を算定するには常勤の専従指導員が必要だが、 配置せずに介護給付金を受領していた。
 介護福祉施設サービス費(基本料金)とは別に、 「個別機能訓練加算」 を算定するには常勤専従の機能訓練指導員を配置しなければならない。 同施設では、 他の業務に従事する職員に機能訓練指導員を兼務させ、 算定要件を満たしているように装って介護給付金を不正に請求、 受給した。 県が算定した不正請求額は、 平成19年9月からことし2月までの4年6カ月間で736万9680円。 昨年8月に行った定期的な実施指導で判明、 ことし7月には監査が行われた。
 来年1月から実施する行政処分は、 ▽介護報酬の請求を上限5割に設定▽新規入所者の介護報酬の請求を全額不可とする▽短期入所については介護保健の請求を5割に設定するという内容。 このほかにも、 改善勧告として▽法令順守統括機能の抜本的な見直し▽法令順守にかかる基本的な方針を策定し、 組織全体に周知▽理事会の取り組み強化など5項目で指導した。
 今回の事案を受け、 中谷理事長は 「真摯に受け止め、 信頼回復に取り組みたい。 再構築していくために役員はもとより職員も襟を正し、 利用者の信頼を取り戻したい」 と話している。 同施設は平成17年4月1日に開設、 定員は50人で、 短期入所は10人。