サッカーのJリーグがスタートしたのは、筆者が大学生になったばかりの1993年だった。テレビにかじりついて見ていた当時、ほかの日本人とは比べものにならない圧倒的なテクニックで観客を魅了していた姿はいまでもはっきり覚えている。もちろんキング・カズこと三浦知良選手のことで、45歳にしてJ2リーグ横浜FCに所属し、いまだ現役として活躍しているスーパーマンだ。あらゆるスポーツにおいて選手寿命が延びているとはいえ、身体能力と徹底した体調管理、努力のたまものだろう。ファンの一人としては、50歳でゴールを決める姿を見てみたい。
 そんなキングが、11月にタイで開催されるフットサルのワールドカップ日本代表候補に選ばれた。5人制のフットサルと11人制のサッカーでは戦術などが全く違い、年齢的にも不安視されるなど賛否はあるようだが、個人的にはぜひ代表入りしてほしいと願っている。カズとサッカーワールドカップといえば、日本が初めて出場した1998年フランス大会、代表から外された因縁がある。当時、大きな議論を呼んだのを記憶している人も多いだろう。まさにいまさらの話だが、それまでの日本サッカーを支えてきた立役者がW杯出場という夢がかなわなかった悔しさはいまでも覚えている。
 だからというわけではないが、今回の代表候補入りには注目している。一度は日本の頂点に立ったといっても過言ではない選手が、結果はどうであれ、年齢にとらわれずチャレンジし続ける姿はかっこいい。常に挑戦者でいる姿勢はどんなスポーツ、仕事にも通ずるものがある。偉大な選手を見本に、いくつになっても挑戦する気持ちを持ちたい。   (片)