約180世帯分に相当する電力が発電できるみなべ町東神野川地内、 島ノ瀬ダムに完成した小水力発電 (2000㌔㍗以下) の見学会が6日に現地で開かれた。 地元の高城・清川小学校児童や住民ら約150人が参加。 代表児童が運転開始パネルにタッチして発電施設が稼働。 発電した電力を使って、 シンセサイザーのコンサートが催された。
 見学会の主催は島ノ瀬ダムを管理する南紀用水土地改良区、 町、 県、 田辺市。 小谷芳正町長はあいさつで 「国内では電気が不足しがち。 水力発電は、 地球にやさしいクリーンな電気をつくることができる」 と述べた。 県職員も水力発電の仕組みなどについて 「滑り落ちる水の力を利用して発電します。 テレビだと1000台分、 扇風機で2800台分を動かす発電量を得ることができます」 と、 パネルなどを使って子どもたちに分かりやすく説明した。 このあと、 清川小学校6年の下村健大君と高城小学校5年の畑谷潤君の2人が運転開始パネルにタッチし、 施設が稼働した。 2人は 「パネルに触れると機械が動き始める音がした。 運転開始に立ち会えて、 いい思い出になった」 と話していた。 両校の児童らは地下に建設されているトンネルの中に入って施設を見学した。 発電した電力を使ったコンサートも催され、 県内出身のプロ演奏家、 松尾泰伸さんがシンセサイザーを演奏。 参加者は楽しく聞き入っていた。
 発電所が取り付けられた島ノ瀬ダムは国営事業で平成3年に農業用ダムとして建設。 堤高44・5㍍、 堤長は131・5㍍。 総貯水量は307万立方㍍となっている。 水力発電施設建設の工事は昨年8月、 機器の発注から取りかかり、 ダム左岸側の放水管 (最大で1秒間0・5㌧) に発電機を取り付けた。 施工業者は紀南電設㈱ (御坊市湯川町小松原、 林惠一代表取締役)。 完成した水力発電の発電量は140㌔㍗、 年間約75万㌔㍗アワーとなる。 発電分は電力会社に売電し、 南紀用水土地改良区のスプリンクラーにかかる電気代に充当される。