和歌山市の新聞社に務めていた10年以上も前、全国高校野球選手権大会の開会式の取材で阪神甲子園球場を訪れた。この日は、筆者の誕生日で記念も兼ねて甲子園上空の空をカメラに収めた。青と白のコントラストがとても美しい空で、そのときの1枚はいまでも大切に持っている。
 この写真を撮ったのは当時、大学時代の後輩と文通をしていたから。文通は、電話やメールと違って相手への配慮があり、温かさを感じられるという理由ですることになったのだが、青空の写真を同封することを決まりにしていた。TVドラマをまねたのだが、甲子園のほか、和歌山市内で数々の空を写したが、撮る瞬間も相手から送られてきた写真を見るときもいつも爽快で晴れやかな気分になった。
 11月に日高川町で開催される星空の街・あおぞらの街全国大会のプレイベント「星空・あおぞらフォトコンテスト」の入賞者が決まった。大賞の「雲を操る少女」は天文公園から青空を写した作品。24日付で掲載したが、夢を呼ぶ少女の像が白と青のコントラストも鮮やかな空を見上げている様子が、像が生きているかのような躍動感が伝わってくる。誰もが毎日、何気なく見ている空。日々の生活でじっくりと眺めることは少なく、なかなかカメラに収めることはない。筆者もフォトコンの記事をきっかけに久しぶりに青空の写真をパシャリ。携帯の待ち受け画面にしたが、見るたびにやはり気分爽快。フォトコンでは大賞ほか、金賞、銀賞、入選合わせて7点が選ばれた。作品は青空をはじめ、ロマンチックな星空や夕焼け、明けの明星も。いずれ紙面で紹介するが、さまざまな空の表情を通して心豊かな気分になっていただけると思う。皆さん自身でも一度撮ってみて下さい。  (昌)