警察犬として8年以上活躍し、ことし7月に9歳で病死したベル・オブ・テックマルヤマ号(シェパード、メス)の功績をたたえ、県警本部は17日、指導手の丸山初美さん(61)=日高川町山野=に感謝状を贈呈した。ベルは平成16年に嘱託警察犬の指定を受けてから行方不明者の捜索などで多数出動したほか、競技会で2連覇するなど優秀な警察犬だった。丸山さんは「ベルに報告します」と亡きパートナーに感謝を込めた。
 丸山さんは平成12年5月から警察犬指導手を務めており、 ベルの母親で同じく優秀な警察犬として活躍したアムール号 (シェパード)、 ベルの子どものクリス (シェパード、 8歳) の3世代3頭の指導手としてこれまで25件の出動に協力している。 中でもベルは最も多い16件の事案に出動。 対象者の歩いた経路をたどる 「足跡追及」 が得意で、 主に行方不明者の捜索で能力を発揮し、 うち2件で歩行経路を突き止めるなど成果を挙げた。 競技会でも 「足跡追及」 で常に上位入賞しており、 昨年と一昨年11月に開かれた県嘱託警察犬指導手会の警察犬競技会で見事2連覇を達成した。 丸山さんと二人三脚で歩んできたが、 病気には勝てず、 7月21日に死亡した。
 感謝状は上岡洋一刑事部長からの贈呈で、 御坊署で伝達式を行い、 楠俊樹署長が 「いつも快く出動していただいてありがとうございます」 とねぎらい、 丸山さんに手渡した。 同席した徳田太志鑑識課長も 「不明者の捜索等に協力いただきありがとうございます。 ベルの冥福を祈ります」 と感謝を述べた。
 丸山さんは 「ベルは生後間もなく、 アムールが授乳中に立ち上がったため地面に落下し、 呼吸困難になって生死をさまよったことがあった。 回復してからは、 とにかくおてんばでしたが、 集中力は非常に高かった」 とエピソードを紹介し、 「感謝状をいただくのはありがたいですが、 ベルがあってのこと。 天国のベルに報告します」 とし、 「これからはクリスが引き継いで、 捜査や捜索に協力していきたい」 と話していた。