農業を勉強している高校生が研究の成果を披露する県学校農業クラブ連盟大会がこのほど県農業大学校で開かれ、意見発表の部で南部高校農業クラブ会長の田代彩さん(園芸科3年)と同クラブの山下翔君(同2年)、団体のプロジェクト発表の部で園芸科5人組がそれぞれ最優秀賞を受賞。20・21日に兵庫県加古川市民会館で行われる近畿大会出場を決めた。授業で取り組んでいる研究内容が評価された。
 同大会は個人・団体とも「食料・生産」「環境」「分科・生活」の3区分ごとに実施。内容のほかに制限時間内にまとめているか、発表態度などで審査され、山下君は環境、田代さんは文化・生活、団体でも文化・生活で最優秀賞となった。
 山下君は「森林破壊について」をテーマに、昆虫や鳥、動物のすみかである里山が荒れてきている現状を発表。復活させるために実がなる木を植やすことを提案し、「動物のえさが確保できるうえ山が復活して、動物が農作物を荒らす問題を解決できる」と主張した。
 田代さんのテーマは、「農クで輝いた高校生活~仲間達と駆け抜けた3年間~」。農業クラブを通じて、地域の小学生や幼稚園児との農作業交流で子どもたちに喜んでもらえたこと、仲間同士で協力することの大切さを痛感したと強調。「たくさんの人との交流の楽しさ、情報交換によって視野が広がっていくうれしさを知ることができた」と締めくくった。
 プロジェクト発表は田代さん、玉置侃也君、抜田望未さん、宮平淳美さん、西川京介君の園芸科3年生5人が「農ク執行部は何ができるか(Ver・2・1)~食育と、共育と、...そしておいしく食べること~」で発表。好き嫌いなく食べることの大切さや楽しさを伝える「マジごはん計画」の取り組みとして、幼稚園や保育園児、小学生との栽培や収穫作業、野菜を使ったピザ作りに挑戦したことを説明。「子どもたちが健康と野菜について考える機会をつくることができた。これからも心豊かに健やかに過ごせるお手伝いをしたい」と力を込めた。
 田代さんは「近畿大会ではもっと原稿を見ないで発表し、全国にいけるようにしたい」と個人、団体両方の活躍を誓い、山下君も「県大会は納得の出来でした。全国出場目指し、近畿大会も頑張ります」とこぶしを握っていた。
 このほか南部高校農業クラブ勢では、意見発表の部食料・生産区分で大西麗香さん(園芸科2年)の「南高発信のスイーツづくり~受け継がれたウメの味~」、プロジェクト発表の部の環境区分で「森の恵みをとりもどせ~森林再生に向けての小さな一歩~」を発表した山本真耶さん(園芸科2年)、東成美さん(生産技術科2年)、橋本果歩さん(同)、青木雪乃さん(同)が優秀賞を受賞した。