第94回全国高校野球選手権和歌山大会が13日、 県営紀三井寺球場で開幕する。 28日まで14日間の甲子園を目指しての熱い戦い。 一ファンとしてもワクワクしている。
 取材担当17年目だが、 今夏のように混戦と思われる大会はなかったように思う。8連覇を狙う智弁和歌山は春季県予選を制したが、 新人戦で海南、 秋季県予選で那賀に敗れており、 付け入る隙はある。 新人戦と秋季県予選の覇者・那賀、強力打線の和歌山商、またノーシードでは市和歌山、 近大新宮なども前評判は高いが、どこも決め手に欠く印象だ。
 地元勢は紀央館が春季県予選ベスト4で22年ぶりのシード校。 打ち出すと止まらない集中打が光り、 投打の歯車がかみ合えば期待が膨らむ。 日高中津は初戦が那賀と厳しい組み合わせとなったが、 鍛えられた守備力と甲子園経験のあるベテラン監督の手腕で勝機を見いだしたいところ。 南部は昨年4強メンバーが今夏も活躍すれば目が離せない。 日高と和高専は初戦の2回戦でぶつかり、 地元対決として注目。 攻撃力に自信を持つチーム同士、 白熱の好ゲームを予感させている。
 過去16回の和歌山大会取材で準優勝が9回。 智弁和歌山をあと一歩のところまで追い詰めた春センバツ出場の日高中津 (平成9年)、 取られても取り返す攻撃力で沸かせた国際開洋第二 (15年)、 ノーシードから夢舞台へあと1死まで近づいた日高 (16年)など、いまでも活躍ぶりをはっきりと覚えているチームも多い。 甲子園出場はもちろん大目標だろうが、 まずは最後まであきらめない、 全力プレーで盛り上げてもらいたい。 今夏も新たに記憶に残るような戦いを見せてくれることを願っている。(賀)