台風4、 5号に伴う大雨で日高川が増水している。 流域に大きな被害が出るほど水位は上昇していないが、 あの茶色の濁流をみると不安が襲ってくる。 昨年9月、 台風12号で日高川が氾濫し、 日高川町皆瀬の自宅1階部分が水没して大規模半壊したためのトラウマだろうか。 もうあんな被害はこりごりで、 雨が降るたびに 「またか...、 今度は大丈夫か...」と憂鬱(ゆううつ) になる。
 それにしてもいつも思うが、頼らざるを得ないものの、 あまり当てにならない天気予報。 今回の台風4号もどうだったか。紀伊半島に接近する直前まで紀北に上陸するコースが予想されていたが、 結局は大きくそれて最南端に上陸して通過していった。一応警戒はしておいて、 大きな被害が出なければそれはそれでいいことだが、もう少し予報の精度が上がらないものだろうか。 中には自主避難した人もおり、 その心労を考えると、的確な情報がほしい。そういう筆者も今回の雨で避難こそしなかったが、「もう少し日高川の水位が上昇したら今度こそは1階の家財道具を2階へ移動させておこう」などと考えながら、また大水害のときの眠れぬ夜を思い出した。
 しかし、災害に対するこういった危機意識というか緊張感は常に持ち続けていかなければならない。 むやみやたらに不安がるのはよくないと思うが、「どうせ台風が来ても大したことはないだろう」 という油断は禁物。 これから先、 何十年、 何百年、 そして未来永劫、「備えあれば憂いなし」を忘れてはならない。 ちなみに頼らざるを得ない天気予報によると、24日から梅雨前線の影響でまた雨らしい。 日高川は増水したままで、 引き続き水位や土砂崩れに警戒が必要だ。 (吉)