3月議会で所信表明を他町から引用し議会から警告・やり直しを求められていた印南町の日裏勝己町長は、 7日に開会した6月議会であらためて所信を表明。 3月議会と内容はほぼ同じだが、 引用個所を削るとともに自身の言葉に置き換え思いを再度表明したが、一部議員からは「言い方を変えただけで、 中身がない」 などの声もあった。  3月議会の所信表明引用は千葉県東庄町長、 神奈川県寒川町長の所信表明などから引用し、 同じ言葉が数十文字続く個所が複数あり、 中には句読点の場所を含め100文字以上まったく同じ個所もあった。
 今回の所信表明の内容は政策担当課などと共同で作成。 日裏町長は、 まず 「事実関係調査特別委員会の意見書に従い、 あらためて所信の一端を申し上げたい」 と前置き。 前回と同じく選挙中に掲げていた 「産業振興」 「福祉充実」 「防災のまちづくり」 「教育の充実」 「行財政改革」 の5つを中心に取り組んでいくことを強調し、 「住民目線のまちづくり」 をスローガンに取り組む姿勢をあらためて示した。
 前回の文章と比べると、 農業振興では東庄町の 「また一方で、 担い手の減少や高齢化が進む中で、 集約化や効率化の推進を図っていく必要があります。 智恵を出し合い、 経営感覚に優れた収益性の高い農家や農業団体の育成を図ってまいります」 とあった個所は、 「経営担い手の育成を推進していくことも重要であると考えております」 と簡略化。 東庄町の 「見守りネットワーク」 の言葉や 「ふるさとが人を育み、 人がふるさとを創る」 などのキャッチフレーズを削除するなど、 全体的に前回より短くまとめた。 内容はほとんど変わっていないが、 日裏町長は 「前回の所信表明と(引用はあったものの) 思いは同じだったため、 今回も大きく変更はしていない」 と話している。 引用を指摘した井上孝夫議員は 「角度を変えて言い方を変えただけ。 自分が町をどうしたいのかという思いは伝わらなかった」と話している。