平成24年度第2回市民教養講座が2日、 市民文化会館で開かれた。 講師は 「戦場カメラマン」 ことフォトジャーナリストの渡部陽一さん。 各国の内戦や紛争について、 子どもたちの姿を中心に語った。
 渡部さんは独特のゆっくりした口調で、 大きなジェスチャーを使って訴えかけるように講演。「学生時代、憧れのピグミー族に会うためアフリカに行き、『アフリカで最も悲しい戦争』と呼ばれるルワンダ内戦に遭遇。銃を持った少年兵に襲われ、あどけない子どもたちの行為に衝撃を受け、帰国して皆に一生懸命話したが言葉だけでは理解されず、元々大好きだったカメラで子どもたちの声を届けられるのではと思いました」 と、 この道を選んだきっかけを説明。イラクで撮影した写真を紹介しながら、劣化ウラン弾の被害で体をむしばまれている子どもたちの悲惨な現状を語り、「戦争ではいつも犠牲者は子どもたち。 イラクで子どもたちが泣いています」と強く訴えた。また、ナジム氏という人が現地で学校を開き、 子どもに笑顔が戻ったことも紹介。「教室はボロボロの机といすだが、みんな一生懸命勉強しています。 イラクにとって子どもは宝、教育を施すことは義務、教育が生活の柱」と話した。
 質問コーナーでは 「生命保険には入れますか」「服はいつも同じだといううわさですが、 何か意味はあるのですか」など笑いを誘う質問が飛び出し、渡部さんは「生命保険には入れません。ベレー帽は妹のプレゼントでお守り代わり。ベストはヨルダンで、1着300円で10着まとめ買いしました」などと答えた。最後に「写真だけでなく、子どもたちの声を直接皆さんに届けられたことに感謝します。世界はもちろん、日本の子どもの声も世界中に届けることが目標です」と笑顔で締めくくった。