美浜町の陸上自衛隊和歌山駐屯地 (第304水際障害中隊) が本年度中の開始を予定している煙樹ケ浜での水際障害 (水際地雷) 訓練に対し、 反対派の美浜町軍事パレード・水際地雷訓練反対連絡会が県に海浜地の使用を許可しないよう求める署名運動をスタートさせた。 3日には市内のスーパーで呼びかけ、 約1時間半で352人が署名。 7月末までに1万人分を集め、 仁坂吉伸知事に提出する。
 水際障害訓練は、 陸自和歌山駐屯地主力部隊の第304水際障害中隊が行い、 海上からの上陸侵攻を食い止めるための対舟艇地雷 (模擬地雷) を水陸両用の水際地雷敷設車で敷設。 平成15年に話が持ち上がってから一部反対派の運動が続くなか、 近畿中部防衛局が権益者となる関係漁業組合などに計画を説明、 訓練実施への交渉を続け、 ことし3月末に美浜町、 御坊市、 関係漁協との間で最終合意に達した。 これを受け、 和歌山駐屯地は本年度中に訓練をスタートさせる。
 日高地方労働組合連絡協議会 (日高地区労)、 美浜の自然を守る会などの団体でつくる訓練反対連絡会は3日、 オークワロマンシティ御坊店で買い物客らに署名を求めた。 目標は1万人で、 今後もスーパーなど街頭での呼びかけのほか、 各団体ごとの署名集めも行い、 8月ごろには提出する予定。 連絡会事務局と関係者によると、 この日は声をかけた人の7割程度が署名に協力。 連絡会の運動に反対の考えを示し、 署名を拒否する人も数人いたという。
 陸上と海上の訓練実施エリアは最終的に知事が占用 (使用) 許可を出すことになり、 和歌山駐屯地は美浜町を通じて県に申請するが、 現在までに町に申請書類は届いていない。 連絡会事務局は 「煙樹ケ浜は県立自然公園内にあり、 今回の署名でも自然破壊を心配する声が聞かれた。 訓練を認めないよう、 できるだけ多くの反対する県民の声を知事に届けたい」 と話している。