みなべ町は筋地内の高台へ防災に活用できるヘリポートを整備する方針を固め、 23日開会の定例議会に上程する。 担当の総務課では 「津波で周辺が浸水した場合などに必要物資を運んだり、 避難者を救助したりすることに活用できる」 としている。 本年度中に整備工事を実施。 完成すれば町内で初めての施設となる。
 場所は筋地内の前谷地域で、 共和新橋から北へ約300㍍。 十数年前に田淵池 (農場用溜め池) を埋め立てた町有地。 海抜は約30㍍。 現在まで特に使用されておらず、 草が生い茂った状態となっている。
 町では、 県のヘリポート整備支援 (孤立集落対策) 補助金を活用する方針。 計画ではヘリポートに必要な敷地面積400平方㍍ (20㍍四方) を舗装し、 周辺の用地も整備する。 事業費は660万円。 現在県に補助を申請中だが、 うち半分が県の負担となる。 議会で可決されれば本年度中に完成させる。
 内閣府が公表している南海地震のシミュレーションでは、 津波の高さはみなべ町で14・8㍍。 筋地区のほか周辺の徳蔵、 山内、 谷口など南部川右岸地域の住民らにとっては津波の一次避難場所としても期待されており、 筋区長の樫山周次さん(55) は 「区内には海抜が高く有効な避難場所がなく、 昨年の東日本大震災発生から避難場所を検討していた。 田淵池の跡地を避難場所として整備してほしいと要望してきたが、 ヘリポートの整備に伴ってようやく有効な避難場所が確保できる」 と話していた。