日高川で1日、 アユ漁が全国のトップを切って解禁した。 昨年9月の台風12号の影響で川が大きな被害を受けたため心配していたが、 予想通り例年よりひっそりとした幕開け。 釣り人の姿が見られなかった椿山ダム下流に対し、 寒川や丹生ノ川などダム上流の支流では太公望が竿の感触を楽しみ、 釣果の方も上々で今後釣り人も増えてくるであろうが、 今シーズンは例年ほどのにぎわいとはいかないようだ。
 そんな中、 日高川町松瀬、 日高川漁業協同組合では、 アユの一夜干しの製造・販売をスタートした。 今春から操業を開始した水産物加工処理施設 「お魚工房日高川」 で製造した日高川ならではのプレミアム商品。 土産品として販売するほか、 旅館や民宿に食材として提供する。 最新鋭の機器を駆使しているため、 台風被害前に製造していた以前の商品よりおいしさが一段とアップ。 筆者もいただいたが、 皮はパリパリ、 身はプリプリで絶品。 ご飯のおかずにも酒の肴にも最適で、 ゴールデンウイーク中のバーベキューの食材に、 少し先ではお中元にしようかとも考えている。
 このアユの一夜干し、実は芸能人も大絶賛している。4月下旬に近畿地方を舞台に催されたクラシックカーイベントで、 道成寺を訪れたドライバーらに振る舞われたが、歌手の堺正章さんは「うまい、本当においしい」と、星3つと言いそうなくらい絶賛、レーサーの鈴木亜久里さんにも好評だったという。本決まりではないので公表はできないが、全国へ一気に羽ばたくプランも進行しつつある。アユどころとして、友釣りにかつてのにぎわいが戻ってくることを願いながら、一夜干しの特産化にも大きな期待を寄せている。 (昌)