「視線を浴びている人は若く見える」という人がいる。確かに、人に見られる仕事をする芸能人などは実際の年齢より若く見える人が多い気はする。ある年齢がくれば、少しでも若く見られたいと思うのは男女共通の願い。若さもさることながら、それ以上に万人の「少しでも長く健康でありたい」という願いも「人に見られている」と意識することが大事だそうだ。
 先月の市民教養講座。テレビリポーターの村上允俊さんが、「美しく健やかに100歳まで生き抜くために」をテーマに語った。筆者はいわゆるアラフォーで、そろそろ健康にも本気で気を配らなければならないと思っていただけに、興味津々に聴いた。村上さんは100歳の双子姉妹で話題となったきんさん・ぎんさんの取材から学んだ健康長寿の5つのポイントを伝授。最初の2つは「食事」と「運動」、続いて「自分の意思を曲げない頑固さを持つこと」「優柔不断にならずイエス・ノーをはっきり言うこと」。最後に挙げたのがびっくり、それは「自分がスターだと思い込むこと」だった。
 きんさん・ぎんさんは、テレビに出始めたころ、ファンに囲まれると恥ずかしそうにしていたが、次第に手を振る等ファンサービスが旺盛になっていったという。出演番組の視聴率を気にし、入院でお茶の間を遠ざかれば「人気が下がる」と心配したそうで、実際にも大スターであるのだが、自身でそう思い込み、「人に見られている」と意識することで、「うれしくてたまらないという感情がストレスを吹き飛ばし、免疫力もアップ、強いパワーが出ていたのだ」という。「人に見られている」と思えば人は変わる。若さも健康も手にできる。意識過剰は考え物だが、気分は憧れの俳優・女優のつもりで。 (昌)