優れたアイデアで職場の技術改善に貢献したとして、みなべ町山内、㈱ウメタの依岡秀次さん(49)=印南町山口=が文部科学大臣表彰の創意工夫功労者に選ばれた。梅加工の作業機器を改良し、生産効率や品質をアップさせた功績が認められた。依岡さんは「受賞できて光栄。今後も作業効率を上げるために問題意識を持って業務に励んでいきたい」と話している。19日に県庁で表彰状の伝達が行われる。
 職域の技術改善向上に貢献した従業員らを対象とした賞で、 本年度の受賞者は県内で7人。
 依岡さんは生産部漬け込み課に所属。 これまで仕事で使用する機器の改良などを会社に提案し、 商品の一定化や品質向上で成果を上げた。 梅干し製品の製造作業に使うクレーン機の改善では、 上からつるしてあった操作ボタンのコードが機器の一部と接触することが原因で異物が混入されたケースがあったことに着目 (異物が混じった商品はセンサーが感知し、 出荷はされなかった)。竿を利用してコードを機器から離れた場所でつるすことを思いつき、 会社に提案して取り入れられた。
 製品材料のシソを圧縮するプレス機でも、 以前はプレス面が老朽化しやすい鉄製だったがさびにくいステンレスに変更することを提案。 鉄の老朽化で発生する異物混入がなくなり、 品質向上につながった。
 このほか、 商品を入れる容器を従来の缶から段ボールに変更。 段ボールは折りたためるため工場内の省スペースができ、 作業効率をアップすることに成功した。 ベルトコンベア機のズレが生じないようにローラーからギアに変更するという改善も提案し、 取り入れられた。
 依岡さんは受賞の知らせを受け、 「ちょっとしたことで作業がしやすくなることがある。 やりにくい作業などを改善できるように、 今後もいろいろ考えていきたい」 と話している。