市内森岡産業廃棄物処分場建設計画に反対している有志の「塩屋産廃の中止を求める塩屋の会」(塩谷真一・松村德夫・橋本厚洋代表世話人)が29日に市役所で記者会見を行い、北塩屋など4地区で実施した反対署名運動に全世帯のうち65%が賛同したことを報告した。森岡の周辺地区で反対の声が過半数を占めており、近く同計画に意見具申する柏木征夫市長や建設認可権者の仁坂吉伸知事らの判断が注目されそうだ。
 塩屋の会は産廃問題の学習会を開くとともに、ことし1月から森岡の周辺地区に住む成人を対象に署名活動を実施。今月25日までに北塩屋185世帯(全体の65%)、南塩屋252世帯(75%)、湊65世帯(46%)、猪野々24世帯(57%)の合計526世帯(65%)から賛同を得た。人数にすると1000人以上。湊は過半数に達していないが、留守のアパートが多く訪問できていないためとしており、実際に会えた人からの反応は「9割以上は産廃に反対だった」としている。これを受けて同会は近く柏木市長や仁坂知事への陳情を予定しているほか、6月にも市議会へ請願を提出する。地元では中止を求めるポスターや看板の設置も進めていく。この日会見した塩谷さんらは「産廃処分場で汚染水が漏れるなどの被害が出たときは、森岡から王子川の下流にあたる塩屋や海に影響が出る。御坊全体にも風評被害が出る。100%安全な施設はなく大きな不安だ。森岡区や地権者だけで建設するかどうかを判断する問題ではない。負の遺産を子や孫に残したくない」などと訴えている。
 現在、建設に向けては森岡区と地権者が合意している状況。法的に必要な残る手続きは県の認可で、県はこれまで環境影響調査や専門家から意見を聞いたりしてきた。今後は5月のゴールデンウイーク前にも建設計画を縦覧するとともに柏木市長と隣接の印南町の日裏勝己町長に意見を聞いた上で、最終的に認可の判断を下す。今月15日の議会一般質問で柏木市長は「環境汚染の恐れがないかなど、十分に精査して対応したい」と述べるにとどまっている。塩屋の会では「中止させるためにはまず市長にノーを表明してもらい、それを受けて知事に判断してもらいたい」と話している。
 一方、産廃を計画している大栄環境㈱(本社=大阪)では周辺地区での説明会の開催を予定している。