ことし7月、世界のトップアスリートが集うスポーツの祭典、ロンドンオリンピックが開催される。筆者自身もスポーツは好きで、今夏はテレビ画面に夢中になりそう。出場する団体や個人の選考も大詰めで、すでに日本のサッカーチーム等の出場が決定。個人でもマラソンの藤原新選手らが選考会で選ばれた。カンボジア国籍を取得してマラソンに出場する猫ひろしさんにも注目したい。日本人選手にはメダルの獲得を期待する。
 先日、テレビで競泳選手の萩原智子さんを特集した番組を見た。読者のなかにもご覧になった方はいると思う。萩原選手は平成12年のシドニーオリンピックに出場。大きな期待が寄せられたが、200㍍背泳ぎで4位と惜しくもメダルを逃した。4年後のアテネには出場することができず、その後に引退を表明したものの、オリンピックの舞台が忘れられずに21年に27歳で5年ぶり現役復帰。しかし、昨年の3月には子宮内膜症が発覚。入院生活を余儀なくされたが、退院後は再びトレーニングに励み、ことし2月には50㍍自由形で自身の持つ日本記録を更新した。
 番組では不屈の精神で挑戦する姿が映され、インタビューで「頑張れた理由は、オリンピックの舞台があるから」と話した言葉が印象に残った。
 誰でも何かで一度ぐらいは「苦しいからやめたい」と思ったことはあるはず。しかし、それを打ち消すのは自分が持っている目標や夢への情熱の大きさ。4月からは進学や就職で新しい世界に入る人も多い。新生活では困難やトラブルはつきもの。それを克服して充実した生活が送れるかどうかは自分自身の能力ではなく、気持ちの強さにかかっている。
       (雄)