夢はなでしこジャパン。 日高地方中学生サッカークラブのベロー・ラ日高で3年間、 男子に混じってプレーしてきた上西可奈子さん (大成中) と山崎唯花さん (湯川中) が4月から、 関西の女子サッカー強豪高校に進学する。 上西さんは大阪桐蔭、 山崎さんは兵庫の日ノ本学園で、 ともに全国トップレベル。 よき友、 よきライバルとして切磋琢磨してきた2人は 「今度は全国大会で対戦しよう」 と互いの活躍を誓い合った。
 大阪桐蔭は昨年夏の全日本女子サッカー選手権で準優勝、日ノ本学園は一昨年の同大会で全国制覇している、ともに日本有数のトップチーム。「将来はなでしこジャパンに入りたい」と夢を追いかけている2人にとって、技術を磨き経験を積む最高の環境だ。両校ともW杯優勝なでしこジャパンメンバーは輩出していないが、2月に和歌山で行われた日本女子代表候補合宿では、U―20とU―17に日ノ本学園の2選手がメンバー入りしている。
 上西さんは技術力の高いテクニシャンで、ベロー・ラでもMFのレギュラーを獲得し、昨年夏には国体女子県代表にも選ばれている。「大阪桐蔭は小学生のころから行きたかった高校。もっとうまくなりたいから、レベルの高い環境を選びました」と志は高い。ベロー・ラでは体では負ける男子に勝つため、考えてプレーしたり、かけ引きの面白さを学んだといい、「身につけたことを高校でも生かしたい」と張り切る。
 山崎さんもMFで当たり負けしない体の強さとスピード、キック力が武器。ベロー・ラではサブに回ることもあったが、身体能力は男子にも劣らない。進路を考えたとき、より強い高校でサッカーがしたいという思いを強くし、「インターネットで調べて日ノ本学園を選んだ。あえて厳しい環境でやりたかった。ベロー・ラでは、精神面も体力面も、普段の生活での心がけがサッカーに出ることを思い知らされたので、高校ではサッカーに集中して頑張る」とこぶしを握る。
 上西さんは小学1年から、山崎さんは3年から同じアミザージでサッカーを始め、中学生になってもベロー・ラ日高でチームメート。「よき友で、よきライバル。励ましあってきた」と互いに認め合う仲。新しい環境にも「不安はない。楽しみというか、期待が大きい」と笑顔の2人。「別々の高校に進学すると連絡はなかなか取れなくなるが、 同じ関西なので対戦する機会も多いと思う。いつか互いにレギュラーで、全国大会で対戦したい」とし、「そのときは絶対に負けない」と声をそろえ、決意を新たにした。
 ベロー・ラの梅本昌照監督は「中学生で男子に混じってプレーする女子は県内でも数人しかいない中、よく頑張ってきた。2人ともいいサッカーセンスと根性を持っているので頑張ってほしい」とエールを送っている。