1月の印南町長選で初当選を飾った日裏勝己町長の初の議会が7日から開会したが、所信表明の引用が取りざたされたり、いきなり2議案が否決されるなど波乱の幕開けとなった。引用については、ネットで発見した議員が指摘。日裏町長は引用を認め、引用元となる千葉県東庄町に謝罪し議場でも謝罪したが、議員からはさらなる追及の声が出ている。否決された議案は「課の設置・廃止」と「給与の削減」で、就任後すぐの議会のため議案や予算に日裏色が反映されていない中での、数少ない独自の取り組みだった。
 議会を取材する中で、気になったのは一般質問での答弁。初の議会ということもあって、議員からは産業、福祉、行革、防災など十数項目の質問が出た。大半が選挙中訴えてきたことについて「どう進めていくのか?」だったが、日裏町長の回答は「まずは現状把握」や「今後検討」などがほとんど。町長選の争点ともなった「庁舎移転の凍結」についても同様の回答で、議員からは「何も考えがないなら、何のために町長になったのか」などと厳しい意見も出たが、実際歯切れのよい答弁ではなかった。
 就任してから2週間と短いことや初の議会で発言に慎重になっているなど、気持ちは分からないでもないが、やはり町の先頭に立って住民を引っ張っていく立場として構想くらいは示してほしかった。先の選挙では相手候補に1392票の大差をつける3934票獲得と、住民からの絶大な支持を受けて選ばれた。住民から大きな期待がかかっていることを再認識し、これからの4年間でリーダーシップを発揮してもらえることに期待したい。      (城)