印南町議会の一般質問が13日に行われ、 井上孝夫議員が日裏勝己町長の所信表明が他町の所信表明と酷似していると指摘。 日裏町長は、 閉会後に引用を認めたが、議員からは「引用の域を超えており、 町を思う人とは考えられない。 議会や町民に対して失礼だ」 と怒りの声が出ている。
 引用されたとする文章は、 千葉県東庄町 (とうのしょうまち) の岩田利雄町長が平成23年1月に行った所信表明で、 同町のホームページで公開されている。 井上議員によると、 議員や報道機関に配布された日裏町長の所信表明原文の中に、 同じ言葉が数十文字続く個所や一部変更している個所も含め6カ所あり、 中には句読点の場所を含め100文字以上まったく同じ個所もあるという。
 一般質問では井上議員が、 酷似している部分が複数あることや、 選挙中に訴えていた高齢者対策の 「安心の連絡網」 が東庄町と同じ 「見守りネットワーク」 に変わっていること、 「『願い』 や『理想』 を訴えている個所も同文である」 などと指摘し、 「これが政治家としての姿勢か」 とただした。 日裏町長は岩田町長のことは知らないとし、 「共通した部分があったんだ」 とのみ回答。 閉会後の本紙の取材に対し「東庄町のホームページを見て思いが同じで素晴らしい文章だったため引用した。許可はとっていない」 と話した。
 藤本良昭議長は「一番最初の所信表明はもっとも重要。 印南には印南独特の事情がある中、 他の町のをそのまま載せるのは無責任。 町の将来を考えているとは思えない」 と怒りをあらわにしている。
 所信表明の引用では、 おととし4月に沖縄県石垣市の中山義隆市長が、 神奈川県小田原市の加藤憲一市長の文章を引用したと指摘され、謝罪に至ったケースもある。