島根県にあるMランドという自動車学校の合宿免許が大人気。校内にはカフェやコンビニ、岩盤浴、エステサロンといった施設があり、トイレ掃除などボランティア活動をすれば、各施設で利用できる独自の通貨がもらえる。全国から集まってくる教習生がともに活動して遊ぶことで仲良くなり、卒業時には涙を流して別れを惜しむという。心と心のつながりが最大の人気の秘密だそうだ。
 日高川町の田舎暮らし体験、農家民泊等で都会からのIターンを受け入れる団体、ゆめ倶楽部21。旧中津村時代に発足し、過疎の村が抱える課題を解決しようと、地元住民と都会から移住してきた人たちが手を組み、ほんまもんの田舎体験を提供。インストラクターには小遣い程度の収入もあり、いまや地域の1つの産業にまで成長した。
 家族連れから小中学生の教育旅行、企業のレク活動まで幅広く対応する体験型観光は昨年度、過去最多の2610人が訪れた。日本語ができない中国人の若者ら外国人団体も受け入れ、インストラクターは身ぶり手ぶりでコミュニケーション。ほんの数日の交流ではあるが、別れの瞬間は互いに感動の涙を流す。島根の自動車学校と同じく、心と心のつながりである。
 自動車学校とは違い、田舎暮らしや農家民泊はリピートがきく。1年のうち半分を田舎、半分を都会という二地域居住もよし、いっそ移り住むもよし。日高川町にはそのためのお試し施設があり、おもてなしの心で利他的に頑張る住民、役場職員もいる。少しずつだが成果を挙げつつあるその取り組みは過疎対策の素晴らしいモデルであり、日高地方全体に広がることを願わずにいられない。(静)