経済講演会で、経済ジャーナリスト須田慎一郎さんから聴いた話である。会社の忘年会に女性社員が1歳9カ月の子どもを連れてきたが、1時間後に大泣き。収拾がつかず、「お開きか?」と思った矢先、女性社員が子どもにある物を手渡したら、ピタリと泣きやみ満面の笑み。それは最新型のスマートフォン。子どもは画面をなぞってアイコンを探してアプリケーションを起動。画面には牧場が映し出され、ウシやヤギの姿。スマホで遊んで、会は予定通り行われたという。
 この話を聞いてどう思うかが問題。筆者は「そんな子どもがいるのか。普通の子はしない」と考え、須田さんも「子育てをしながら女性が仕事をするための特殊なケースと思った」と振り返った。このような考えはその時点で思考が止まり、何も生まれない。逆に頭の切り替えができる人は、「こんなソフトを開発、販売するところがあり、需要もある。小さい子ども向けのビジネスが成立している」と受け入れられるのだという。
 須田さんが、成功を手にするポイントとして強調したのが「発想の転換」。電機メーカーなど低迷する中、思わぬ業界が好調だったり、ある企業が畑違いと思われる分野の物を開発、最先端の技術を持っていたりするそうで、「過去の経験、成功にとらわれず、情報をどのように考え、組み立てるか。気がつくか、つかないか、注意が結果として大きく変わる」とアドバイス。これは経済に限ってのことだけではなさそう。成功へのヒント、道標は無限大。さまざまなことに関心を抱き、見聞きしたことに対して、自分の物差しで関係ないと片付けず、これまでの経緯やこれからの展望などさまざまな角度、可能性を考えてみる。何ごとも心持ち一つ。過去に固執せず、柔軟に。  (昌)