少し前、ラジオで聴いた子育て中のリスナーの話が頭に残っている。「子どもが何か買いたい、買ってほしいといってきた時には、なぜほしいのか、それを手に入れたあとはどのように使うのか。それに自分のお小遣いで買えるのか、どれぐらい(親からの)お金が必要なのかをよく聞いてみる」。子どもにお金の話をそこまでしなくてもと感じたが、話の続きを聴いてみると、なるほどと思った。本人にじっくりと考えさせてから買わせる、または買い与えるようにすると、買ったものを大事にしたり有効に使うようになるという。子どもがある程度の年齢になれば、やってみるのもいいかもしれないと納得した。
いまの政治に当てはめてみるとどうか。政府は「『決められない政治』から脱却することを目指す」と威勢よく決めて、消費税率引き上げをどんどんと進めていこうとしている。社会保障・税の一体改革で増税といっても年金、医療、介護のどれをとっても、その先の将来はまるで見えてこない。お金を出す方が国民(親)、使うのが政治家(子)だとすると、まだ買うものはあいまいなのにその金額だけは決めているような話。自分が前述の親なら「そんなことではお金は出せない」となり、もっと子に使い道をよく考え、説明しなさいというだろう。
「決めても実行しない政治」の現与党に増税を任せても大丈夫か。払った金を無駄遣いせず有効に活用してくれるのか、いろんな不安は尽きない。野田首相の態度をみる限り、なりふり構わず増税へ突っ走るのだろうが、きっちりと説明責任を果たし、その上で国民に信を問う。民主主義のルールに沿ってやってもらいたい。わがままな子のおねだりのような状況では納得いくはずもない。 (賀)

