名古屋大などの国際研究グループが先日、物質を構成する素粒子の一種であるニュートリノが光の速度より速く飛んでいるという観測結果を発表した。これが正しければ、1905年にアインシュタインが発表した「宇宙には光の速度を超えるものは存在しない」という特殊相対性理論が否定され、物理学の根底が揺るがされる可能性もあるという。学者らも「信じがたい」と半信半疑のようだが、物理がまったく分からない筆者にとっても興味深いニュースだ。
実験はイタリアで行われ、ニュートリノを加速する装置で打ち出し、約730㌔㍍離れた地下研究所へ地中を通して飛ばした。光はこの距離を0・0024秒で飛ぶが、ニュートリノは光より1億分の6秒早く到達していたという。相対性理論では光の速度に近づくと時間の経過が遅くなり、光速になると時間が止まると考えられているそうだ。光速を超えると、時間が逆戻りすることになり、新聞やインターネットなどでは「タイムマシンが可能に」などという見出しで大々的に報じられた。
ニュートリノ自体不思議な素粒子。ほとんど質量はないとされており、地球や人の体などを簡単にスルスルと通り抜けてしまうという。そういう現象すら筆者のような凡人には解釈し難いが、秋の夜長に不思議な物理の世界に思いをはせることで気分がウキウキする。もちろん、筆者が生きている間にタイムマシンができることは不可能だろう。しかし、その夢の可能性を信じ続けることはでき、超現実的な世界を考え続けることに楽しさがある。今後、「実験結果は間違いでした」と訂正されないことに期待したい。 (雄)

