日高川の氾濫で日高川町を中心に甚大な被害を出した災害から10日が過ぎた。中津や美山地区によく足を運んでいるが、泥だらけだった4日朝の状況と比べれば、すごいスピードで復旧しているのが目に見えて分かる。この早期の復旧を支えているのが、ボランティアと地域のつながりだ。川筋の道を走っていると、多くの人が家や仕事場の片づけを手伝っている姿をよく見かける。ボランティアセンターを通さず、知人や友人宅に直接入る人が多いのも、この田舎ならでは。すさまじい被害を受けながら、前を向いて歩み出す人の力は、自然の力をも上回ると感じさせられる10日間だった。それでも人手は十分とはいえず、時間のある方はぜひ参加してもらいたい。
ただ、車で走っているだけでは見えない問題が山ほどあるのも事実だ。中でも最も大切なのは、被災した方々の健康の問題。残暑厳しい中での家財道具の片づけは重労働だろう。気が張って疲れていることにすら気づかない人もいるし、心に傷を負っている人も多い。保健所や町の保健師、診療所の先生方が住民の健康管理にあたっているが、「川が増水して避難するまでの記憶がない」、「夜、なかなか寝つけない」という声も少なくないという。そして、支援する側の心と体の健康も見逃してはならない。被災者はもちろん、住民のために走り回っている人をケアする態勢づくりも必要だ。
災害とひとくくりにしても、現場では「非日常」の連続だと察する。そのストレスが日々積み重なっていくのを少しでも改善するのは、やはり人とのコミュニケーションだろう。今後は被災者の話に耳を傾け、心を和らげるボランティアもたくさん必要だ。 (片)

