先日、紀州みなべ梅の郷救助隊が東日本大震災の被災地、宮城県気仙沼市を訪れた。被災者らに楽しいひとときを過ごしてもらおうと、現地で夏祭りを企画。綿菓子やかき氷などの飲食を提供し、輪投げやスーパーボールすくいなどのゲームも催した。今回は隊員だけでなく公募で集まった中高校生らも参加し、学生らがボランティア意識を高める機会にもなった。
日高地方に住んでいる中学3年生の男子学生も夏休みを利用して今回のメンバーに加わった。現地では震災で被害を受けた50歳代の女性と接する機会があり、世間話的な会話から津波で住んでいた家や働いていた病院が流されてしまったというつらい話も聞いたという。中学生はただそばで耳を傾けるだけだったが、女性にとっては誰かと話すことで心の傷が少しでも癒やせたのだろう。中学生らが帰る際、女性は近くのホテルでキーホルダーを買い、学生に土産としてプレゼントした。ボランティア活動ではこうした心が通い合う体験があり、中学生にとっては一生の思い出となる経験ができたのではなかろうか。
ボランティアは人のために自発的に行う行為。しかし、人の温かみや痛みを肌で感じることで、自分自信の心を強くする。外食業界の居酒屋「和民」の渡邉美樹社長は「ボランティアは、何かをしてあげることではない。ボランティアは、何かをさせてもらうことである」と言う。まさに体も心も成長が著しい若者らにとってはボランティア活動は人間形成の観点でも貴重。「情けは人の為ならず」ということわざがあるように「ボランティアは被災者の為ならず」ということだろう。 (雄)

