平成23年度県中学校総合体育大会軟式野球で日高地方予選1位の日高が準優勝。地元開催枠での全国大会出場にはあと一歩届かなかったが、見事25年ぶりの近畿大会出場を決めた。その次の日、熱戦で声をからしたままの監督に取材させてもらった。
 日高地方予選は2戦目以降の3試合をいずれも1点差、県予選も初戦から準決勝まで1―0、1―0、2―0。「打撃中心のチームなんですが、点が取れないなか我慢してよく守った」と選手たちをたたえ、「ここ一番での集中力が発揮できたことが勝因ですね」と語った。軟式野球でロースコアの試合は珍しくないそうだが、8試合中5試合が1点差での勝利。その集中力発揮はどうやって生まれたのだろう。
 同校の監督になって3年目。新チームになってのこの1年間、選手たちに日ごろの練習から徹底させてきたことがあるという。「あいさつなくして上達なし」「仲間の上達を喜び自分も負けないように頑張る」「ふてくされ顔はチームの空気を悪くする」「チャンスを呼び込むプレーに徹する」「声はチームのバイタル」「人の話は耳とめて心で聞く」「返事は強く早く短く」の7つ。一つ一つ丁寧に意味や思いを教えてくれた。中学生、引いては人として当たり前のルール、スポーツに取り組む姿勢。そんな普段からの意識が接戦をものにする強いメンタル、強いチームをつくったのだろう。
 また、「エラーした選手ではなく、エラーをさせた周りの選手を怒ります」。野球に限らず社会人としても大切な言葉ばかりが聞けた。日高地方勢17年ぶり、同校としては準優勝した昭和61年以来25年ぶりの全国大会出場目指して頑張ってほしい。    (笑)