東日本大震災の影響で夏場の電力不足が懸念されているなか、筆者も先日、節電のため扇風機を購入しようと大手電器店を訪れたが、みんな思うことは同じようでほとんどが売り切れ。節電への意識の高さがうかがえるが、ことしは昨年同様猛暑が予想されているので熱中症対策も必要だ。食欲も落ちがちになる季節。食欲増進には和歌山特産の梅干しとともに、わさびも有効だ。
 印南町で特産真妻わさびの復興の兆しが見えてきた。農業者らでつくる真妻わさび振興協議会(森本松太郎会長・メンバー10人)が、川又地内のわさび棚跡地を整備して栽培を続けてきたわさびが、順調に育ち秋にも収穫できる見通しとなった。わさび栽培が衰退する原因となった一つの鳥獣害への対策を施し、昔ながらの方法で栽培しているわさび。切目川中学校跡地で行われているボックス式栽培は昨年の猛暑の被害を受けたが、川又の方には大きな影響はなかったとのこと。ちなみにボックス式も対策を施して再チャレンジしている。今後は棚数を増やして収量をアップさせていくことが必要だが、それと同時に販売方法なども検討していく必要がある。同協議会では、生わさびだけでなく加工品の開発も進めていく。
 最近、猛暑の影響か、わさびを使った商品が増えている。ヤマザキ・ナビスコや森永製菓などが出しているスナック菓子に、わさび味が登場。飲食店でもわさびを使った期間限定メニューが出るなど、夏はわさびが活躍できる絶好の季節だ。同協議会でも、わさび栽培の天敵である猛暑を逆手にとったわさび加工品ができることを期待したい。     (城)