東日本大震災が発生して3日後ぐらいだったか、テレビのニュースで被災者にいま一番何がほしいのかをインタビューしていた。水、食料などがあったが、被災直後強く求めているのは「情報」だった。電気も通らず、テレビのニュースも見れない被災者たち。自分たちの自宅や地域の状況が分からない、愛する家族のことさえも不明。言葉では言い表せないほどの不安や悲しみがあると思う。そんな中で地元の新聞記者が少しでも情報を集めて被災者に伝える様子が報道されていた。同業者としてぜひ頑張っていただきたい。
 さて、行政で取材しているとたまに「議会に説明してから報道発表する」といわれる。確かに、あらかじめ議会の理解と協力を得ておきたいことなどがあるのは分かる。筆者は情報の迅速な公開が原則だと思うが、ケースバイケースで新聞掲載を控えるなど、配慮する場合もある。
 そんな折、東日本大震災の対応を行政に尋ねたところ、「議会への報告が終わってから説明する」との答え。理由を聞いても同じ返答の一点張り。結局、議会への説明が終わって聞けば「被災地の義援金受付」という話。それなら少しでも早く報道発表して住民に協力を呼びかける方がいいだろう。もし本県でも地震が起きた場合、被災者への情報提供が行政の重要な役割の一つだと思うが、そんなときも「議会に説明してから」なんてのんびりしたことをいうのか、一体何が大切だと思っているのか、情けなく感じた。
 当地方も東海・東南海・南海地震の同時発生が予想。仮に起きたら本社は平常通りの新聞を発行できないかもしれない。しかし、たとえ手書き、一枚もの、手配りでも被災者に情報を伝えるのが報道の使命。そのときはぜひ行政も協力願いたい。     (吉)