筆者は野球少年だったが、プロレス好きからレスリングに興味を持った時期があったし、中学生になると映画の影響でフェンシングにあこがれた。サーベルを手にした騎士のような姿が格好よく、野球では頭打ちだっただけに、何らかの機会があれば志していたかも知れない。
 この辺りでも野球にサッカー、剣道などメジャーなスポーツは、少年クラブや中学校の部活、授業など親しむ機会が多い。そんな環境であればこそ、本格的に志せるし、インターハイやインカレ、さらには五輪まで目指すこともできる。一方でレスリングやフェンシングなど競技人口が少ないいわゆるマイナースポーツはどうかというと、地域格差が大きい。競技によっては和歌山市などでは普及、振興を目的に体験教室が開かれており、現役高校生のほか、あこがれの五輪経験者らの指導のもと、子どもたちは楽しみながら、また中学生にもなると上でやるために熱心に取り組んでいる。残念ながら日高地方はそんな環境になく、もって生まれた天性の資質を埋もれさせている可能性は多分にある。
 平成27年の紀の国わかやま国体に向け、日高川町は27日にアーチェリー体験教室を開催する。アーチェリーは、屋外で撃つ爽快感、試合での緊張感が魅力で、他のスポーツより体格や筋力が重要ではなく、集中力や精神力が勝敗を左右することが多いだけに、初心者でも楽しめ、他のスポーツで振るわなかった選手も大活躍できることもあるという。教室は日高地方で初めての試みで、地元選手の発掘、競技の推進にもつながりそう。参加してみてはどうだろう。自身の思いも寄らぬ才能が開花、子どもたちの埋もれた資質も見いだせるかも知れない。   (昌)