定数11に対して現職9、新人4の計13氏がしのぎを削った日高町議選。定数3削減後初、8年ぶりの選挙戦は戦前の予想、取材通りの結果で、ふたを開けても現職優勢、新人劣勢の構図に変化はみられなかった。
 特にこの日高地方などの田舎では新人がトップ当選の勢いをみせることが多いのだが、今回は少し異なった。新人への期待票は余り伸びず、得票にも上位9人を現職が独占、下位4人が新人とくっきり表れた。よくいえば、市町村合併など町の将来を大きく左右する問題に取り組んできたことや厳しい財政状況の中、執行部の行政運営に監視の目を光らせてきた現職の実績が高く評価を受けたということになるだろう。違った見方をすれば昔ながらの地縁、血縁重視で、日ごろの付き合いに勝る現職に好結果が出たとも考えられる。目立った争点がなかった点からも、やはり後者の方が投票行動を左右したと思われる。
 さて今後4年間。政権が非常に不安定なうえ、国の借金、各種政策の財源不足などの問題もあって、地方への大幅な負担増がいつ何時から強いられてくるか分からない。新町議11人の公約には鳥獣害対策、子育て環境の充実、高齢者支援の推進が多くあったが、国政や県政の動きもよく勉強し、選挙戦の戦いぶりのような素早いフットワークで対応していくことが求められる。
 選挙戦の中身は別にして、8年ぶりに投票機会を与えられたのはよかった。投票率は過去最低だったが、それでも10人に8人以上が1票を投じた。有権者はこれから4年間、新町議の働きをしっかりと監視し、町づくりに協力していく責任があることも忘れないでほしい。   (賀)