筆者も大阪市内で遭遇した阪神淡路大震災。アルバイトの帰り、新幹線の高架下に差し掛かった瞬間だった。大きな地響きとともに高架はヘビのようにうねり、信号は消えて交差点では自動車が立ち往生。突然の出来事に強い恐怖を覚えた。幸い周辺では建物の倒壊や火事など大きな被害はなかったが、もしそのような状況になっていたら自分に何ができただろう。
 取材で年に数回、大学教授ら専門家の講演や被災者の体験談を聞くことがある。よく耳にするのが、近隣住民らが助け合う「共助」がとても重要だということ。災害発生直後には自治体や警察、消防等公的機関による「公助」より、いち早く行動ができるためで、体験談を語った阪神淡路大震災の被災者は家屋倒壊で生き埋めとなったが、近隣住民の助けで一命を取りとめた。
 災害に強いまちづくりへ、日高川町は5年間に全職員の防災士資格取得を目指している。災害に対しての十分な意識、知識、技能が認められた人で、地域や社会などさまざまな場で減災と防災力向上のための活動や地域の防災リーダーとしての役割へ期待は大きい。町では、地域コミュニティーの重要性に注目し、昨年度からは「となり組プロジェクト」もスタート。住民同士で助け合えるシステムを構築しており、職員の防災士資格の取得はより一層地域の防災力を高めそう。筆者は災害への備えや災害時の対応、心肺蘇生法など取材を通して知ってはいるが、本格的に学んでおらず知識は断片的で、一刻を争う状況になったときのことを考えると不安で仕方がない。ことしは防災士資格取得の会場が日高川町。筆者も受講を考えているが、皆さんもご検討を。   (昌)