時間の経過には節目がある。1年、2年という年単位があり、1年の中にも春、夏、秋、冬の四季がある。ほかにも盆、節分、彼岸などの行事で区切ることができる。一日でみてみても朝、昼、夜に分けられるし、もっと細かくすると時間、分、秒に区切ることができる。この節目があるからこそ、人間は気持ちの張りができて頑張ることができるのではなかろうか▼昭和30年代から40年代にかけてマラソン界で活躍した君原健二選手。日本が誇る名ランナーで、オリンピックには3回出場し、すべて8位以内に入るという偉業を達成した。その君原選手は練習やレースで苦しくなったら「まず次の電柱まで走ろう」と念じながら走ったという。フルマラソン42・195㌔を走り抜くのも、数十㍍先に見える電柱までの距離の積み重ねだったのだろう▼時間の節目でも同じこと。「あと1日だけ頑張ろう」「あと1時間だけ頑張ろう」という気持ちが努力の継続になり、最終的には大きな成果につながる。日本には明確な四季や古来から伝わる季節ごとの慣わしがある。それが時間の節目をつくっているといえる。根拠のない筆者の考えだが、日本人の勤勉さが形成されたのもそういうことが要因の1つにもなっているのではなかろうか▼新しい年が始まった。筆者自身も気持ちを新たに仕事や私生活をスタートした。1年間という長いスパンを見据えるだけではなく、「春までには」「1カ月後には」「1週間後には」「きょう中に」と細分化した目標を立て、ことしも1年間を乗りきっていきたいと思う。数学では点が集まれば線になると言われるように、1つ1つの積み重ねが充実した1年を送ることにつながるのだろう。     (雄)