人々の生活に欠かせない電気。スマホやパソコン、テレビ、車など、あらゆる面でお世話になっている。普段は当たり前のように使っているが、ひとたび停電が発生すると、そのありがたみがよく分かる。先日秋の叙勲を受章した、御坊市で電気工事業を営む谷本宗城さんを取材させていただいた。谷本さんによるとかつて県電気工事工業組合に加盟していた事業所は780あったが、現在は350まで半減し、人材不足が深刻だという。
電気工事業と言えば昔は建設関連業の一つとして「3K(きつい、汚い、危険)」と呼ばれたが、それでもなり手はあった。近年の人手不足は少子高齢化や、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う需要の急増などが要因とされており、若者への技術の継承も大きな課題となっている。ただ、近年飛躍的な進歩を遂げているAIに、多くの仕事が取って代わられると言われる中、実は電気工事業はいまのところ、そういったことがないとされている。現場で人の手による複雑な作業が必要であり、トラブルや微調整など臨機応変な職人による丁寧な仕事が必要だからだとされている。そういった意味ではAIに負けない、自慢の技術を持つ職種であり、言い方は昔っぽいが、これからの時代も「食いっぱぐれのないカッコイイ仕事」の筆頭だとも言われている。また、新たな電気工具の開発や安全管理の徹底などで労働環境も改善されているそうだ。
「電気がなければ生活できない。将来の電気工事を担う、我こそはという若い人に入ってきてほしい」とは、半世紀にわたり電気工事業一筋の谷本さんの言葉。次世代を担う人材が育つことに期待したい。(吉)


