マスターと営むSSstudioに、高校生4人組がやってきた。なんでも、文化祭でバンド演奏を発表したいのだとか。マスターや筆者が10代だった昭和の時代はバンドブームで、ギターを担いだ若者がそこいらじゅうにいたものだが、哀しいかな今や、バンド人口は減少。軽音部のない学校も珍しくなくなった。そんななか、高校生バンドはとても貴重な存在。ぜひ4人を応援したくなった。

 さて初めてのスタジオ練習は、みんな恐る恐る音を出している感じ。ドラム君に至っては「SSで初めてドラムに触った」とのことだった。出番まで2週間もない。大丈夫かな、と心配になる。

 と、ここで奇跡の助け舟。偶然にも出入りのドラマーさんが来店されて、4人の練習に興味津々。面倒見のよい彼は熱心にドラム君に叩き方を教えてくださり、曲の出来栄えが格段に良くなった。

 出番3日前からは連日練習。出入りのドラマーさんがまた教えに来てくださって、4人の練習に熱が入る。さすが若者、覚えが早い。前奏が合うようになり、最後まで止まらず通せるようになり、徐々に曲になってくる。最初は頼りなかった音が次第にしっかりとした輪郭を持ち、ボーカル、ギター、ベース、ドラムの一体感が生まれてくる。おどおどしていた4人の表情から少しずつ自信があふれる。

 そしていよいよ本番。マスターと一緒に学校の体育館へ見に行くと、観客を前に4人がステージに立っていた。緊張して間違えもしたけど、とてもとてもかっこよかった。頑張って練習して作り上げた4人のステージは、かけがえのない青春の1ページ。みんな、お疲れ様。素敵なステージをありがとう。(亜)