2030年度以降、小中高校の教科書は「紙とデジタルのハイブリッド」「完全デジタル」「紙のみ」の3形態となる。その新形態の教科書のあり方について、文部科学省は有識者会議で大臣指針素案を示した。素案は、基本的にはハイブリッドで、構成の軸は紙、デジタルは補助的な扱いとの位置づけ。紙には基礎的内容、デジタルには動画や音声を活用した説明、発展的内容を掲載し、二次元コード等で紙とデジタルをつなぐイメージだ。
小4以下はおおむね紙で完全デジタルは認めないなど、低学年の子どもたちの発達への影響等に配慮してあくまで紙を軸にしているとはいえ、教科書もいよいよデジタルの時代到来。教材は紙一択で、何冊もの教科書に副読本、分厚い辞書がパンパンに詰まった重いカバンを担げて学校に通った筆者の高校時代が、ひと昔前に思える。
紙の教科書に、別の教材で知った知識やテストで解けなかった内容を手描きでびっしり書き込んで、この一冊を見れば全てが分かるという自分独自の教科書を作り上げるのが、学習の土台だった。書き込みがいっぱいの教科書はそれだけコツコツ勉強してきた証で、試験の際にはお守りのように感じていたものだ。
電子辞書が主流になったときも、手垢まみれの薄汚れた辞書が「これだけ勉強したぜ」という誇りだった時代ではもうないのだなと少し寂しく感じたものだが、実際に電子辞書を使ってみたら、軽くて持ち運びが楽で早く調べられてとても使い勝手がよかった。
デジタル教科書も、紙にはないデジタルならではのよさがあるだろう。デジタルにすでに慣れた今の子どもたちが上手に使いこなしてくれることを期待している。(亜)


