先日、御坊市内のカフェバーにライブを観に行ったら、初めて聴く弾き語りのお兄さんの歌がグサッと心に刺さって、思わず泣いてしまった。「タイムマシンはいらない」という曲。普段から、どちらかというとメロディーが先に耳に入って、その後に歌詞が胸に届くタイプなのだけれど、この歌はなぜか歌詞が先に直球で心の奥に入ってきて、自分を全肯定してくれた気がした。
「今まで僕がやってきた事 帳消しにはできないし しんどい事ばかりだった僕の過去は 今のためにあった」。そのフレーズに、今までの自分の過去が、それも、楽しかった思い出ではなく辛くてもがいていた頃の記憶が走馬灯のように思い出されて、苦しくなった。
でも「タイムマシンはいらないのさ 僕の過去も君の過去も 変える必要ないんだ」とのサビの言葉が、満身創痍で泣いた時間があったから今の君があるんだよ、どの過去も欠けたら今の君はないんだよ、と聞こえて、これまでの過去が幸せで充実した今につながったことを素直に喜べ、消したい過去を丸ごと許容できた気がした。
「目の前の今を 目の前の君と 今を今を生きろよ」。50歳を過ぎ人生後半戦に入って、やりたいことは全力でやろう、やりたくないことは極力やらない、という姿勢でいるけれど、この歌を聴いてなおその気持ちが強くなった。
お兄さんが出番の最後に「CDあります」と言ったので、終演後、ジンソーダを1杯おごるのをお代に1枚頂戴した。この日はお兄さんが一人で弾き語るスタイルだったけれど、CDはパワフルなバンド仕様でこちらもよい。お兄さんはコピーOKと言っていたし、この曲を自分で弾けるよう練習しようかな。 (亜)


