今年6月、和歌山市で開かれた高市首相後援会が主催のフォーラムで、片山さつき財務大臣が和歌山のロケットの話題を取り上げ、「官民の投資を促し、経済成長につなげる将来有望な産業」と太鼓判を押していたが、リップサービスではなかったようだ。
先月31日、AIや半導体、宇宙など17の分野に関する国の戦略産業クラスター(集積)計画が公表され、ロケット・射場の分野で和歌山県全域を対象とする計画が盛り込まれた。クラスター計画は国の地域未来戦略の一環で、国が一歩前に出て道路、工業用水などの関連インフラや、産業人材の育成などの環境整備を計画的に進めることで、世界をリードする産業の定着、地域や国の経済活性化につなげていくのが狙い。第1弾として全国で13の計画が策定、公表された。
和歌山県では串本町での民間ロケット打ち上げを促進し、県内に関連企業や研究拠点の集積を形成、官民で大規模な投資を進めていく。2040年度までに射場増設やロケット製造工場の整備などで官民設備投資額約505億円、観光や飲食を含めた付加価値増加額約945億円を目指す方針も掲げられている。
今回の計画は県全域が対象というのがみそ。例えば射場の増設やロケット関連部品の工場誘致などは串本や那智勝浦町などに限った話ではなく、高速道路沿いなどアクセスのよい場所では当然、日高地方も候補地となり得る。すでに宇宙産業の人材育成では串本古座高校や田辺工業高校のほか、御坊市の和高専も一翼を担うことが決まっている。
ロケット打ち上げは和歌山の発展に絶好のチャンス。関連産業の集積に向けた官民の大きな投資を、少しでも日高地方に呼び込めないか。(吉)

