
御坊市塩屋町南塩屋、歴史民俗資料館で20日、9月下旬まで開催中のミニ展示「豊臣(羽柴)兄弟の紀州攻め~湯河氏VS玉置氏~」の関連講座が開かれた。
NHK大河ドラマでは「豊臣兄弟!」として、秀吉と秀長の兄弟が主人公となっており、県立博物館学芸員の坂本亮太さんは「湯河直春の時代―秀吉の紀州攻めをめぐって―」をテーマに講話。戦国時代から安土桃山時代にかけて紀中で勢力を持っていた豪族の湯河氏と、紀州を攻めた秀吉のかかわりを解説した。湯河直春は永禄年間の1562年、河内教興寺合戦で戦死した直光の跡を継いで13代目の当主となり、織田信長に追放されて由良町の興国寺にいた元室町幕府将軍の足利義昭に道成寺縁起の閲覧をあっせんしたなどの記録がある。その後秀吉軍と戦って降伏し、大和郡山城の秀長のもとで暮らしたという。
坂本さんは「湯河氏の末路については①天正13年3月に戦いのさなか病気で死去②天正14年4月22日死去③天正14年7月に毒殺―の3つの説がある」と解説。湯河氏がいろいろな人の陳情を受け、山林資源を保証するなどしていることを表す文書なども紹介し、「上から命を受けて派遣される形ではなく、自らが地域の中で勢力を持っていた領主。村人らの暮らしにかかわる存在だった」などと説明した。紀州攻めの時には秀吉方の白樫氏(湯浅)、玉置氏と戦い、熊野へ逃げることに決まり小松原館に自ら火を放ったこと、熊野の山中へ逃れたことなどを文書から読み解いていった。直春の花押(かおう=サイン)の書き方を解説する場面もあり、来場者は興味深く聞き入った。また、埋蔵文化財保護行政事務協議会埋蔵文化財専門職員の川崎雅史さんは「玉置氏の城」をテーマに語った。講話のあと館内でミニ展示も見学した。


