県が進めている御坊市内の下川放水路整備事業説明会が10日、御坊市役所で開かれ、地域住民ら約60人が出席した。懸念されていた放水路工事による地下水への影響については、地下水の流れや水位の調査の結果、「影響が少ない」と報告。仮に周辺の井戸などに利用している地下水が枯渇、水質悪化などの問題が発生した場合は、県が補償する方針も示した。
下川の大雨時の氾濫対策は63億円を投じ、増水した水を日高川へ逃がす放水路の整備を計画。湯川町財部の宝の湯付近から18㍍道路の下、深さ6~7㍍を通って日高川までつなぐ。計画流量は毎秒20㌧で、「10年に一度の大雨(1時間当たり69㍉)」に耐えられる設計にしている。計画を知った一部住民からは、北から南へ流れる放水路の工事を実施することで、東から西へ流れていると予想される地下水が分断され、周辺井戸の枯渇や濁りを危惧する声が上がっていた。
県は着工を延期し、周辺地域の住民や営業店舗で使っている井戸の利用状況、水質、水量、水位とともに、新たに観測孔を設けるなどして地下水を調査。中間報告によると、地下水が北から南へ流れていることが分かり、放水路と同じ向きであることから「工事で地下水の遮断はないと思われる」と説明。北側は地下水が放水路より低い位置にあることも付け加えた。補償については地下水の影響や利用状況に応じて、恒久的な対応策を個別に相談し、「県が責任を持って対応する」と約束した。
施工期間は10年程度としたが、参加者からは地域住民の安全、安心へ「最低でも7年で整備を」などの声があり、工事で地元業者活用の要望もあった。一方で一部から「本当に大丈夫なのか」「地下水の値打ちをもっと知ってほしい」など、根強い不安の声もあった。日高振興局河港課は「今年度中にも一部着工を目指していきたい」と話している。地下水調査は工事中も行い、完了後1年間、継続する。


