最近、人の名前が出てこないことが増え、50歳を超えて自分が年を取ったと思うことが、認めたくはないが実際多くなった。調べ物をしようとインターネットで検索画面を開いたはいいが、「えっと、何を調べるんだったっけ」としばらくパソコン画面とにらめっこしたのち、諦めるということもある。それから老眼、スマホの字を読むのも一苦労で、職場では老眼鏡が欠かせなくなった。あとは指が乾燥してスーパーのビニール袋を開けるのが本当にストレスになる。若いというのは素晴らしかったんだと、今更ながらつくづく思う。

 もの忘れはひどくなる一方だが、子どものころの記憶は案外残っているから不思議だ。小学校や中学校の印象に残っていることははっきり覚えている。授業で習ったこともなんとなく覚えていることが多い。言い換えれば、そういう時代に学ぶことはやはり大事だということだろう。

 先日、印南マンスリークラブ主催の津波について考えるシンポジウムが開かれた。講師を務めた印南中学校卒業生の20代男女3人は、中学生の時に学んだことを紹介してくれた。印南中ではスマトラ島沖地震をきっかけに2005年から津波研究を始めており、20年以上経つ。10年前からは3年生全員で取り組むようになり、毎年継続しているのは本当に素晴らしい。

 子どものころに学んだことや経験したことは歳を取っても残る。将来のリーダーを育成する取り組みは頼もしく、前述の3人がそれを証明しているといえる。3人は、中学生の取り組みに関心を持ち、地域全体に広げることが必要だと強調していた。若きリーダーの声を聴く機会がもっと増えればと思う。(片)