6月のテーマは「水」。女優でエッセイスト、多数の著書のある本上まなみさんのエッセイ本をご紹介します。

 「芽つきのどんぐり」(本上まなみ著、小学館文庫)

 山形県出身、京都市在住の著者。

 本書は「しりとりエッセイ」として、「始末屋」「野菜」「田舎」と各章のタイトルが「しりとり」で進んでいき、最後は「グリーン」で終わります。
 「清水」の章では、さまざまな水の思い出が語られます。

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 北海道の西別川に行ったとき、夏なのにものすごく水が冷たくてびっくりした記憶があります。透明度が高いので、川底からこんこんと水が湧き出ているのが見えるんだよ。あっちでもこっちでも砂利がふわっ、ふわっと浮き上がる。ぷくぷくと空気も出てきて、バイカモという水草が川の流れに乗ってゆらめいていたのです。しかもその時期ちょうど白い小さな花をたくさん咲かせていて、あれは本当に美しかったなあ。水中に草原が広がっているみたいに見え、その合間を自由に行き来している魚たちはまるで空を飛んでいるようだった。