6月に入り、もうすぐ梅雨入りを迎える。この時期になると、台風が日本列島を襲うこともある。日高地方でも過去には強風による家屋の損壊や大雨による浸水、農作物への被害などが繰り返されてきた。特に2011年の台風12号では紀伊半島水害による甚大な被害を受け、死者が出たほか、浸水や土砂災害が相次いだ。

 台風の怖さは強風や大雨だけではない。河川の氾濫や土砂災害、停電、交通機関の乱れなど、日常生活に大きな影響を及ぼす。近年は気候変動の影響も指摘され、これまで経験したことのないような豪雨に見舞われることもある。

 一方で台風は、ある程度進路や接近時期を予想できる。だからこそ事前の備えが大切だ。懐中電灯や非常食の確認、スマートフォンの充電、避難場所の確認などの対策は欠かせない。いざというときに慌てないためにも、普段からの準備が何よりの安心につながる。昔から「備えあれば憂いなし」と言われるが、災害の教訓を受け継いできたこの言葉には重みがある。

 人間は自然の脅威を完全に防ぐことはできない。自然を甘く見ず、正しく恐れることが大切だ。台風が過ぎ去った後、「何もなくてよかった」と振り返るためにも、今できる備えを見直したい。

 台風6号が発生し、日本列島に接近しつつある。1日午前5時現在の気象庁の発表によると、最大風速は秒速30㍍。近畿地方には2日夜から3日午前にかけて最接近するとみられ、注意が必要だ。

 「まだ大丈夫」「自分は大丈夫」という思い込みが、時には避難の遅れを招く。自然の力を過小評価せず、最新の情報に耳を傾けながら、早めの行動を心がけたい。(雄)