釣りは自然の中で楽しむ趣味。川のせせらぎや海の波音を聞きながら竿を出す時間は、日常の嫌なことを忘れさせてくれる、心が癒やされるひととき。一方で、釣り人のマナー違反が指摘されているのも事実だ。釣り人が残したごみが海や川に散乱している光景を目にすると、釣りの楽しさも一気に冷め、嫌な気持ちにさせられる。誰もが気持ちよく楽しむためには、マナーを守ることが不可欠である。

 御坊市塩屋町にある日高港湾は、カマスやタチウオ、アジ、ヒラメなどが狙える海釣りの人気スポット。近年はユーチューブやSNSなどで紹介されたこともあり、釣り客が急増している。護岸に車を横付けし、すぐに竿を出せる手軽さから家族連れらも訪れ、週末になると和歌山ナンバーだけでなく、大阪や奈良など県外ナンバーの車も多く並ぶ。

 しかし、日高港湾は産業振興を支える物流拠点がメイン。大型作業船が入港し、土砂を運ぶダンプカーが頻繁に通行する。そのため、釣り人の車が作業の妨げになることもあるほか、キャストした仕掛けが係留中の船に当たるといったトラブルも多発している。釣り人同士のトラブルもあり、地元の釣り人からは、「このままでは釣りが禁止されるのではないか」と懸念する声が聞かれる。

 釣りの魅力は、自然の中で自分の時間を楽しめる点にある。そして、忘れてはならないのが、自然に対する敬意。必要以上に魚を持ち帰らないことや、小さな魚はリリースすることも必要だろう。釣りは自然からの恩恵を受けている行為で、川や海の大自然の中でのマナー違反は見苦しい。ルールを守って節度ある行動を心がけなければ、楽しいはずの釣りが台無しになる。(雄)