映画「男はつらいよ」のファンでつくるわかやま寅さん会(西本三平代表)のイベントが11日、県民文化会館大ホールで行われ、「男はつらいよ」シリーズ第50作「お帰り寅さん」を上映し、山田洋次監督、俳優の倍賞千恵子さん、吉岡秀隆さんらのトークショーが行われた。和歌山市交響楽団が「寅さん」の音楽を聴かせるコンサートもあり、5時間にわたる充実したイベントに来場者は大満足の様子で拍手を送っていた。

50作目主演の吉岡さん
笑顔の倍賞さん
マイクを手に語る山田監督

 1500席の会場はほぼ満席。吉岡さん演じる寅次郎のおい・満男が主人公の「お帰り寅さん」を楽しんだあと、休憩を挟んで和歌山市交響楽団が迫力満点の生演奏を聴かせた。指揮は、寅さんの音楽を手がけた山本直純さんの次男山本祐之介さんと同交響楽団音楽監督の江田司さん。フルオーケストラで倍賞さんが「下町の太陽」をうたい上げる場面もあり、大きな拍手が送られた。

 トークショーでは山田監督、倍賞さん、吉岡さん、司会進行の北山雅康さん、和歌山市出身の照明スタッフ土山正人さんが登壇。マイクを手にした山田監督はまず、市民オーケストラの演奏を「世界一。地方自治体も国も、こういう地方の文化を応援すべき」とたたえた。寅さん役の渥美清さんのとぼけた演技を「天才だった」と懐かしみ、「お帰り寅さん」にあったメロンの切り分け方でもめるユーモラスなシーンでも「実は疎外感という悲しみを抱いており、一言いっただけでそれを察して悲哀を感じさせる演技を見せてくれた」と話した。

 倍賞さんは3月に日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞しており、観客が拍手でたたえると茶目っ気たっぷりに両手でⅤサインをつくって見せた。

 吉岡さんは「和歌山はとても空が高くてきれいなところ。こんなところに住んでいる人は心が広いと思う」と話し、2012年の映画「三丁目の夕日」では有田川町の鉄道公園でロケを行ったことなど、懐かしそうに振り返った。

 最後には地元の高校生140人が加わって観客も出演者も一緒に「寅さんの歌」を大合唱。出演者に高校生から花束が贈られ、大きな拍手で幕を閉じた。