県無形民俗文化財に日高地方最大の秋祭り、御坊市の小竹八幡神社秋季祭礼「御坊祭」が指定された。毎年10月4日宵宮、5日本祭りで行われ、10組がそれぞれ幟差し、戯瓢踊、奴踊、雀踊、獅子舞など多彩な芸能を奉納することが特色で、「人を見たけりゃ御坊祭」という呼び名にふさわしいにぎわいの祭りとなっている。また、用具、芸能、屋台、四ツ太鼓、幟などは地域の歴史、生業、信仰生活と密接な関連性があり、地域の歴史を考えるうえで重要かつ祭礼様式の典型に位置付けられる。祭りの中で行われる戯瓢踊と御坊下組の雀踊はすでに県指定の無形民俗文化財となっており、今回、祭り全体が指定された。

 一般的に祭りや建物、仏像など何でもそうだが、文化財に指定されることで、国や自治体から保存や継承のための支援が受けられるというメリットがあり、貴重な文化財を守っていくには有利。一方でそれぞれの内容や形状などを変更しにくくなり、地域住民や管理者の負担が大きくなるデメリットもある。

 ただ、長年地域で受け継がれてきた御坊祭が、晴れて県の文化財に指定されたということは、地域住民にとって大きな誇り。御坊祭を観光資源として生かそうという動きもあり、地域ブランドとしての価値もアップしたと言える。

 県内ではすでに粉川祭(紀の川市)やおとう祭(御坊市)、笑い祭(日高川町)などの祭りが県の文化財に指定されており、御坊祭が15件目。文化財に指定されたからといって急に観光客の増加や地域の活性化など、何かが劇的に変わるわけではなく、今回の指定をどう生かすのかが大事。地域住民の汗と知恵、そして行政との協働に期待したい。(吉)