県は2024年度の県内障害者虐待状況をまとめた。障害者福祉施設従事者等による障害者虐待は、相談・通報件数と虐待認定数がいずれも過去最多を更新。重大な虐待事案が2件発生したこともあって、件数、人数ともに前年度から急増しており、県では施設管理者対象の研修会開催や専門家の派遣などで虐待防止に努めている。

 障害者福祉施設従事者等による障害者虐待の相談・通報件数はここ数年増加傾向にあり、21年度17件、22年度31件、23年度35件と過去最多を更新しており、24年度はさらに前年度比11件増の46件。虐待認定件数はここ10年以上一桁台だったが、24年度は12件となり、前年度比8件増。被虐待者数は38人で、前年度比34人の大幅増となった。内訳は虐待の種別・類型が身体的虐待7件、性的虐待2件、心理的虐待6件、放棄・放置3件、経済的虐待0件。性別は男性18人、女性20人。被虐待者の障害種別は身体17人、知的26人、精神3人、その他1人。虐待した施設従事者の職種は管理者1人、サービス管理責任者2人、生活支援員12人、職業指導員2人、居宅介護従事者1人、保育士1人、その他1人。

 県障害福祉課によると、24年度には南紀あけぼの園(上富田町)や障害者支援施設ビンセント療護園(和歌山市)で複数の虐待が確認されたことで、相談・通報件数、虐待認定数を押し上げた。また、12年10月に障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律が施行されてから十数年が経過し、虐待を発見した場合の通報の定着化や障害者に対する人権意識の一層の高まりもあるという。

 一方、養護者による障害者虐待は相談・通報件数が43件(前年度比11件減)、虐待認定件数が20件(14件減)、被虐待者数が21人(13人減)で、21年以降、減少傾向が続いている。